おはようございます。
退職学®︎の佐野創太(@taishokugaku)です。
本日のテーマは「現職より年収が低い会社から内定が出たら、
転職すべきかどうか」です。
転職活動中の方からマシュマロ(無料・匿名で悩みが書き込める相談サービス)でいただいた転職相談です。
内定は出たが「この会社でいいのか」と決めきれない
転職活動の最後には何が起きるのか知りたい
年収交渉の実態が気になる
そんな方に受け取っていただければ幸いです。
ちなみに・・・
転職で年収を上げる方法はシンプルです。
業界を変える、企業規模を変える、自分の希少価値を認めさせる、になります。
その方法は『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)で解説していますので、
ご参照くださいませ。
転職相談:内定は出ましたが給料は下がります。どうしましょう?
いただいたお悩みはこちらです。
はじめまして。いつもメルマガを楽しみに拝読しております。
読むたびに気付きをもらえて、相談者の方々の内容をじっくり見ていると
「あ、私と同じ悩みを持っている人がいる。私だけじゃないんだ」
と、なぜだか自分だけの、ささやかな一方通行のコミュニティが構築されていることに嬉しく思います。
転職活動は孤独なものですが、共感しつつそっと気付きを促してくれる佐野さんの言葉で、「一人じゃないんだ」と思える自分がおります。さて、前置きが長くなりましたが、かくいう私も転職活動中の身で、つい最近企業から内定をいただきました。
現職では十分すぎる年収を提示され働いていましたが、昼夜問わず、土日も休みなく働いていた自分自身がある日ふと悲しくなり、「仕事に支配されたくない」と転職活動を行いました。
内定をいただいた企業から提示された年収は現職よりも低く、賞与が入ってなんとか現職とギリギリ同じくらいのラインです。「お金目当てで転職しているわけではないのだから、年収が下がっても気にするなよ、自分」
と戒めておりますが、なかなかモヤモヤが消えず、このままでは気持ち良く新しい会社に転職できないとまで考えてしまいます。おそらくですが「年収が下がっても納得して働けるか」という答えが、自分の中で曖昧になっているのだろうと思います。
ただ、内定をいただいた企業はIPO準備中で、自身の経験を活かせる業務と、ゼロから作り上げていく未経験の業務の両方を担える良いチャンスであり、そこに対しての迷いは一切ありません。とりとめもない長文になってしまいましたが、このような小さなモヤモヤをどのように解消していけばよいか、新しい会社で気持ちよく働くにはどのような気持ちで臨めばよいか、ぜひアドバイスをいただければと思います。
まずは一言申し上げたいと思います。
内定おめでとうございます!
転職するか悩んでいるとはいえ、
現職のお仕事を進めながら転職活動をし、
内定まで得る。
並大抵のことではありません。
まずはそんなご自身に自信を感じてくださいませ。
そしてメルマガ「キャリアの休憩室」に
コミュニティーらしさを感じてくださって
誠にありがとうございます。
手紙を書いているつもりで発行しているので
相談者さまの受け取り方はとても光栄です。
「会社辞めたい」本音は、転職先でスッキリさせられそうでしょうか?
もう既に解消されていそうですが、
次の点は整理しておくことをおすすめします。
それは「会社辞めたい」とまで思った理由が、
転職先でスッキリさせられそうか、です。
相談者さまの場合はこのように整理できます。
●会社辞めたい理由:現職では十分すぎる年収を提示され働いていましたが、昼夜問わず、土日も休みなく働いていた自分自身がある日ふと悲しくなり、「仕事に支配されたくない」と転職活動を行いました。
●転職先の職場:PO準備中で、自身の経験を活かせる業務と、ゼロから作り上げていく未経験の業務の両方を担える良いチャンス
会社辞めたい理由である「仕事に支配されたくない」という思いは、
転職先のIPO準備中の会社で解消されそうでしょうか?
マシュマロの情報だけで恐縮ですが、
「IPO準備中となれば忙しくなるのでは」とも思います。
既に調査済みかもしれませんが、
「会社辞めたい理由」と「転職する理由」が一致しているかを
今一度点検してみてくださいませ。
相談者さまが内定を勝ち取った企業のように、
魅力的な条件がそろった会社だと
「今の会社を辞めたい理由」を忘れて
「この会社に転職しようかどうしよう」と悩むことがよくあります。
「なんで転職活動したいんだっけ」と整理し、
転職先候補の会社でその思いを解消できそうか、
言葉にしてみることをおすすめします。
現職よりも年収が下がるオファーにモヤる真因とは何か?
それでは本題です。
相談者さまは『「年収が下がっても納得して働けるか」という答えが、
自分の中で曖昧になっている」』とお悩みです。
そう、これはかなり悩むのではと推察しています。
なぜなら、私たちはビジネスパーソンである以上、
自分の仕事の成果は当然「お給料」に反映されることを願います。
これはまったく「お金にがめつい」とか、
そういう話にはなりません。
相談者さまも以下のように
書いてくださっています。
>昼夜問わず、土日も休みなく働いていた自分自身がある日ふと悲しくなり、「仕事に支配されたくない」と転職活動を行いました
仕事をするということは、自分の時間を差し出すことになります。
時間とは何かというと、命です。
大袈裟に聞こえますが、実際にそうです。
なぜなら、私たちは仕事以外にも大切なものがある中で
「それでもあえて」仕事をしています。
ひとによっては子育てかもしれないです。
介護だってあります。
大切な趣味だってあるんです。
「それでもあえて」仕事を優先するということは、
「命を使って仕事をしている」としても過言ではありません。
なので、現職より給料が下がるオファーはモヤりますし、
モヤることに何の問題もありません。
相談者さまは「小さなモヤモヤ」と書かれていますが、
とても大切なことに悩んでいると捉えていただくことをおすすめします。
「お金に執着している自分はだめだ」とか
「お金よりもっと大切なことがあるだろう」のように
自分を戒めたりしようとしなくてOKです。
まずは、「お金について気にするのは当然だ。
私の命でもある時間を使っているんだから」と
ちょっと強気になるくらいでもOKです。
額面だけで比べない:「体感年収」という考え方
年収が下がるオファーを前にすると、どうしても額面の数字だけを比べてしまいます。でも同じ年収でも、働く人の体感は会社によって大きく変わります。
人間関係がしんどい会社は、毎月お金を差し出しながら働いているようなものです。額面が高くても、体感の年収はガクッと下がります。反対に、消耗の少ない職場なら、額面が同じでも体感の年収は上がります。手取りだけでなく、「消耗の少なさ」も報酬のうちです。
相談者さまが転職を決めた理由は「仕事に支配されたくない」でした。内定先で取り戻せる時間や心の余裕も、年収と並べて比べてみてください。
年収交渉はできるのか?
ここまで思考について僭越ながらおすすめを申し上げてきたので。
最後に行動についてお伝えします。
的は「なぜ現職より下がるのか(相談者さまがモヤる金額にまで)」に絞ります。
考えられる理由は2つです。
一つ目は相談者さまは「昼夜問わず、土日も休みなく働いていた」と
書いてらっしゃるので
残業代がかさんでいる可能性が考えられます。
こちらを交渉材料にすることは難しいです。
二つ目の理由が転職した場合には
「ゼロから作り上げていく未経験の業務」があることです。
未経験の業務が転職想定先の企業が仮に「5つある」と考えていて、
相談者さまは「2つある」と考えているとします。
この「3つ」のずれが、
相談者さまの「モヤるほどの給料が下がる理由」である可能性があります。
そのためできることは二つあります。
未経験の業務をヒアリングして棚卸して
●未経験の仕事のずれを減らすこと(本当は未経験業務は1つかもしれない)
●これから発生するであろう業務を特定して、
相談者さまの経験でカバーできることを伝える
この二つです。
どちらも内定提示段階だからこそ、
ヒアリングをして提案できるものです。
いただいたご相談の文章からは、
相談者さまのあたたかいお人柄と
鋭い分析力が伺えます。
現職がありながら内定をとっていらっしゃるので、
行動力もあります。
そんな相談者さんであれば年収交渉をしても
内定先と関係が悪くなることもなく、
むしろ「ビジネスの交渉ができるひとだ」と
さらに評価を高める可能性すらあると考えております。
年収交渉は、私はほとんどの場合はおすすめしません。
「もっとほしいから」という感情的な理由が多いため、
交渉材料が見つからないからです。
でも、相談者さまは交渉材料を持っているのではと思います。
「そんな考えもあるのか」と思っていただければ幸いです。
応援しています。
希望年収を低く伝えてしまったときは
転職活動では、「未経験だから」「採用されたいから」と、希望年収を低めに伝えてしまうことがあります。そしてオファーを見てから、「もっと高く言えばよかった」と後悔する。キャリア相談でもよく伺うお悩みです。
そういう方には、「1万円の価値があるものを、自分から7000円で差し出さなくても大丈夫ですよ」とお伝えしています。キャリアにはちゃんと値札がついています。引け目を感じて、自分で値札を下げてしまうのはもったいないです。年収は、もう少し強気なくらいでちょうどいいと思っています。
内定が出たあとのオファー面談は、条件をすり合わせる場でもあります。上で書いたように、任される業務を聞き取り、自分の経験でカバーできる部分を伝える。言い直すための材料は、そこから見つかります。
メッセージ
自分の悩みはよく「こんな小さいことに悩んで」だったり
「こんなことを悩んではいけないのでは」と思ってしまいがちです。
自責と自戒が動いてしまうといいますか。(私もやりがちです・・・)
でも、悩みとは本音の疼きなんです。
とっても大切なことを教えてくれるフクロウ(?)みたいなものなので、
ぜひ「この悩みは私のどんな本音の声なんだろう」と捉えていただければ幸いです。
そのために、こうして書き込むことも大切です。
書き込むことはつまり、自分と悩みをいったん切り離して
「なるほど、こういう悩みを持っているのね」と客観的になる営みです。
私のマシュマロはまとまっていなくても書き込んでOKです。
書くだけで実はすっきりすることも多いです。
読んでいる私も「うん、わからん!」と思ったら、
「わからん」とお伝えしますし(笑)
お気軽にお使いくださいませ。
最新のお知らせ
(1)【最新刊】『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)
(2)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)好評発売中
(3)連載|日経BOOKプラス
「20代で頑張り過ぎて短期離職→再入社→介護離職 『70%で働く』に至るまで」

https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/072200743/072200001/
(4)YouTubeをひっそり再開しました

https://www.youtube.com/@sano-souta
(5)出演|TBS CROSS DIG with Bloomberg(Human Insight)
「自分の120%は他人の80%」まじめな人ほど陥る“セルフ搾取”/「『70%で働く』はサボりじゃない」

https://www.youtube.com/watch?v=Y4394uziDQI
(6)出演|PIVOT(PIVOT LIFE)
「70%で働く思考法」――「もっと頑張る」から脱する働き方

https://www.youtube.com/watch?v=IZDu_wZe9Uw
(7)インタビュー|BEST TiMES(ベストタイムズ)
「過重労働・パワハラ・介護離職…七転八倒の仕事人生で偶然出会ったフランクルの言葉とは?【『70%で働く』佐野創太氏インタビュー#1】」
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/4302241/
(8)掲載|日本人材ニュースONLINE(連載「だから社員は辞めていく」)
「社員を退職に追い込む『サイクル酔い』の構造とは」

https://jinzainews.net/26813970/
(9)フェルミ漫画大学:『70%で働く』(日経BP)が漫画になりました
登録者数140万人のマンガで本の内容をわかりやすく勉強できるチャンネルで、拙著が紹介されました。

https://www.youtube.com/watch?v=cPR949n3IuE
書き手(佐野創太)のプロフィール

すり合わせ学の編集長/退職学®(resignology)研究家
法人・組織の「ずれ」を力に変え、個人には本とキャリア相談から次の一歩を届けています。
- 公式サイト:https://taishokugaku.com/
- X(旧Twitter):@taishokugaku
- Instagram:@taishokugaku
- YouTube:@sano-souta
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著書一覧
(1)『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版/台湾版あり)
・新装版:『脱 会社辞めたいループ 辞めたいけど辞めたくない人のための転職の思考法』(サンマーク出版/タイ版あり)
(2)『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)
(3)『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)
(4)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)
(5)『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)




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