<AI質問>相談ビジネスはどれくらい体系化すべき?<お返事>医者くらいはどうでしょう?〜キャリアの休憩室Vol.55〜

おはようございます。
退職学®︎の佐野創太(@taishokugaku)です。

本日のテーマは昨日の続きです。
「ChatGPTが進化したら、相談やコミュニケーションは
どれくらい体系化されているイメージですか?」です。

マシュマロ(無料・匿名で悩みが書き込める相談サービス)からいただいたご質問です。

会社の研修やキャリアプログラムをつくる仕事をしている
コーチングやカウンセリングの仕事に興味がある
AIの進化で人間はどう変わるのか気になる
コミュニケーション能力を鍛えたい

そんな方に届けば幸いです。
AIによってひとも仕事も、どんどん変わっていきそうですね。

=====ここからがコラムです=====

ご質問:AIに相談できるようになったら、相談ビジネスはどれくらい体系化する必要があるのか?

いただいたご質問はこちらです。
「職場で相談に乗る・家庭教師役」をすることが多い方からいただきました。

佐野さん、こんにちは。

少し前のツイートで「相談とか「コミュニケーション」の仕事が、根底から変わっていきそう」と書かれていて、そうなのか・・・と興味深く拝読しました。

そこでご質問なのですが、

・どんな背景でそう感じられましたでしょうか?

・「体系化されたコンテンツでないともう成り立たない」ともあり、少しく衝撃だったのですが、ここでおっしゃっている「体系化」とは、どのぐらいの体系のイメージでしょうか?
(公文式レベルの細かさで、見える化出来ている必要あり・・?)

職場で相談に乗る・家庭教師役をすることが多く、1つのスキル として形にしたいと思っております。
自分が話を聞くときに相手にする質問には根拠 や目的がありますが体系とまで言えるかというと、自信がありません。

佐野さんのメール・ツイートを欠かさず読んでおりますが、このツイートのことが頭を離れず、ご質問させていただきました。さしつかえなければ ご回答いただけますと幸いです。

昨日は以下のようにお返事しました。
・ChatGPTでつくれる対話ボットは、
相談者が抱く「こんなこと相談していいのかな」の最初のハードルを越える
・AIが持つ「遠慮しなくていい」という強みを、ひとは持てない

本日は2つ目の質問である
「相談やコミュニケーションは、体系化されたコンテンツでないと成り立たない、
というときにはどれくらい体系化なのか」です。

お答えします。

「医者に行ったら風邪が治る」くらいのわかりやすさが求められている

このお返事も、大前提は
「AIが持つ「遠慮しなくていい」という強みは、ひとは持てない」です。

AIには平日でも休日でも、
真夜中でも明け方でもいつでも、
どんな内容のことを尋ねても
「どう思われるかな」と
気にする必要はない。

それがAIとの対話の良さです。
ひとがこっちの方向に強化されることは考えにくいです。

そんな時代において、私がしているようなキャリア相談や転職相談は、
どうあるべきなんだろうか。
ここが興味の出発点です。

とはいえ、「体系化」のレベルは
質問者さまが書いてくださったような、
「公文式レベルの細かさで、見える化出来ている必要あり・・?」とは考えていません。
(もちろん、そこで勝負できる方はありです)

体系化の程度は、実はざっくり捉えています。
相談するひとが相談に乗るひとを見て、
「このひとに相談すればこんな結果を得られそうだ」と
イメージできる。
この程度です。

なーんだ、その程度かと思わせてしまったかもしれません。

確かに会社で既に相談に乗っている質問者さまは、
もう意識されていることかと思います。

ただ、そういった方ばかりではないことも
質問者さまはご存知かと思います。

体系化というよりも、厳密に言葉を選べば
「わかりやすさ」が相談をするひとにとっては大切です。
相談をして得られるものは、まだまだわかりにくいですから。

そのため体系化、つまり「わかりやすさ」の程度は
医者くらいわかりやすくある必要があると思います。

咳が止まらなくなったけれど、内科に行けば治る
腰が痛くなってきたけど、整体に行けば治る
歯が痛いけど、歯医者に行けば治る

これくらいわかりやすいことが理想です。

相談するひとが、相談に乗るひとの専門性についてよくわかっていなくてもいい。
これくらいのわかりやすさが、
相談やコミュニケーションを仕事に求められる
「わかりやすさ(体系化)」だと考えています。

AIボットが相談者と相談に乗るひとの最初の接点になる時代に、人間ができること

でも、この「わかりやすさ(体系化)」は
いまになって必要になったわけではないのでは?

そう考える方もいらっしゃると思います。
特に、質問者さまのように既に実践している方にとっては。

仰る通りです。

「相談やコミュニケーションによって得られるもののわかりやすさ」は
AIボットに簡単に相談できるようになっているいま、
さらに求められるようになっています。

AIボットを相談するひとも使うようになると
大きく変わる点があります。

それは、相談をするひとと相談に乗るひとの「最初の接点」です。

AIボットがないこれまでは、
相談者が「これは誰かに相談しないとダメだ」と思いを募らせ、(ステップ1)
相談に乗る人の情報を調べて「信用できそうか」と判断し、(ステップ2)
「よし、申し込もう」と決意することで始まります。(ステップ3)

これからは、ステップ1〜3が
すべてAIボットで完結させられるようになる可能性があります。

そこまでできる?と半信半疑にさせてしまうかもですが、
AIには人間が超えられないであろう強さがあります。

そうです。「無遠慮の強さ」です。
ひとにはどうしても遠慮してしまいますから。

そう考えると、相談者のステップ4が浮かび上がってきます。
(相談の中で得られる安心や浄化などはいったんすっ飛ばします)

質問者さまはもうお気づきかと思います。

「後押し」です。
ひとに相談したくなるほどの悩みは、
考えるだけではスッキリしません。
何かしら行動が必要です。

具体的な行動のプランや詳細までは、
AIボットがサポートしてくれます。

でも「よし、これをやろう!」と、言ってしまえば
勢いをつけること、背中を押してくれることまでは
AIボットはできないのではと思います。

もちろん、これからAIが実体をもって声や表情を持ち始めて、
相談者がAIに人格や関係性を感じはじめたら
この状況も変わるかもしれません。
(そうすると遠慮がはじまって人間への相談に近づくので、
それはそれで課題かもです)

でも、そこまでにはまだ時間がかかるはずです。

AIボットがステップ1〜3の部分を担ってくれるとなると、
「遠慮しなくちゃいけない人間にわざわざ相談しなくていいや」となるひとも、
確実に増えるかと思います。

そのため、相談やコミュニケーションが仕事として成り立つには、
AIボットを越える、ないしは違うコンテンツである必要が生じます。

選ばれるコンテンツの特徴として考えられることは
「風邪をひいたら内科に行こう」くらいのわかりやすさと、
行動への後押しの明確化が必要になる。

これが「どれくらい体系化する必要があるのか」への
お返事となります。

=====ここまでがコラムです=====

メッセージと最新のお知らせ

2回にわたりお付き合いいただき誠にありがとうございます。
私は考えが整理されて学びがあったのですが、
質問者さまはいかがでしたでしょうか・・・?

また素敵な問いをいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

このコラムに返信してくださる方や、
感想を届けてくださる方が増えています。
匿名で質問したい場合は、下記をご活用ください。
https://marshmallow-qa.com/atsuhiko_kamiya

お悩みを聞かせていただきましたら、
このコラム上でお答えさせていただきます。
(もちろん、個人が特定される情報は伏せます)

ぜひ声を聞かせてくださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。

退職学・佐野

P.S.トップ画像の「ドラセナ・コンシンネ(Dracena marginata)」の花言葉は「真実」です

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