こんなキャリア相談をいただきました。
「あなたが転職したい時が、ベストタイミングです」なんて言われても困るんです。
「こんな職場はさっさと退職した方がいい」という特徴を教えてください。
本日は「辞めた方がいい会社の特徴」をテーマにお伝えします。
=====ここからがコラムです=====
謎ルールがある会社は要注意
あなたの会社には謎ルールはありますか?
あるデザイナーの相談者さんは「うちの経営陣が緑が嫌いなので、絶対に緑は使えません」と悩んでいました。
謎です。
ある営業の相談者さんは「うちはバレンタインの日は女性社員は必ず社長にチョコを渡します」と頭を抱えていました。
謎です。
このように「なぜそのルールがあるか合理的な理由はなく、
ただ昔からそうなっているから従っているだけ」なルールがある場合は要注意です。
謎ルール企業は、「有害な職場行動」が横行する傾向にあるからです。
「有害な職場行動」チェック
謎ルールがある会社も、長く在職していると「そういうものだから」とスルーしてしまうようになります。
段々と感覚が麻痺していきます。いざ転職しよう、独立しようとなっても「あれ、私って何がしたいんだっけ?」と
どれだけ内省や自己分析を繰り返してもわからなくなってしまいます。
そのため、「有害な職場行動」とは何かを知っておくことで、自分の身を守ってください。
キャリアや仕事の話は勇ましい攻めの話は多いですが、その攻めを成り立たせる守りの話が少なすぎるのです。
まるでキーパーのいないサッカーチームのような・・・。
マッキンゼー(McKinsey Health Institute)は次のように「有害な職場行動」を定義しています。
特に「従業員が評価されていない、軽んじられている、または安全でないと感じるようになる対人行動」の部分が大切です。
有害な職場行動とは、不当または卑下した扱い、非包括的な行動、妨害行為、熾烈な競争、虐待的な管理、リーダーや同僚からの非倫理的な行動など、
従業員が評価されていない、軽んじられている、または安全でないと感じるようになる対人行動のことです。
この側面からの質問には、「上司に嘲笑される」、「自分の考えを軽んじる人と一緒に働く」、「上司が人前で私を貶める」といった記述への同意が含まれる。
(出典:Addressing employee burnout: Are you solving the right problem?)
原典はこうなっています。
Toxic workplace behavior is interpersonal behavior that leads to employees feeling unvalued, belittled, or unsafe, such as unfair or demeaning treatment, non-inclusive behavior, sabotaging, cutthroat competition, abusive management, and unethical behavior from leaders or coworkers. Selected questions from this dimension include agreement with the statements “My manager ridicules me,” “I work with people who belittle my ideas,” and “My manager puts me down in front of others.”
(出典:Addressing employee burnout: Are you solving the right problem?)
あなたや同僚、上司や部下は「びくびくしながら」働いていることはありますか?
「職場以外だったらこんな対応ありえないよな」と感じることはありますか?
しんどい職場にいる方がキャリア相談にいらっしゃると、退職したい理由が
「人間らしい生き方をしたいから」など、基本的人権レベルになります。
「有害な職場行動」は、「こんな仕事がしたい」や「行きたい会社がある」という
ポジティブな感情を消し去っていきます。
要注意です。
ただ「やりたいからやる」仕事が必ずある
私も「有害な職場行動」のある職場にいた経験があるので、
このテーマは過去の自分に送っている部分もあります。
仕事は本来、「それ自体」が 楽しいものだったはず・・・なのに気づけば苦役に悩まされる。
そんな時期がありました。
謎ルール会社を抜け出した先には、どんな仕事をすればいいのでしょうか。
道標になる言葉を、神谷美恵子氏の『生きがいについて』(みすず書房)から引用します。
イギリスの哲学者であるウォーコップの考えを元にした、神谷美氏の言葉です。

ウォーコップにいわせると、人間の活動のなかで、真のよろこびをもたらすものは目的、効用、必要、理由などと関係のない「それ自らのための活動」であるという。たしかに何か利益や効果を目標とした活動よりも、ただ「やりたいからやる」ことのほうがいきいきしたよろこびを生む。金のためのアルバイトばかりやることを余儀なくされているひとは、金のためでない仕事、金にならない仕事をする自由にどんなにかあこがれることであろう。
(引用:『生きがいについて』P16)
解説します。
仕事にはたくさんの目的があります。
お金といっても趣味から子育てや介護の費用までありますし、スキルアップもあります。
人それぞれです。
その中でも神谷氏は<ただ「やりたいからやる」ことのほうがいきいきしたよろこびを生む>と書いています。
転職も独立も考えることがたくさんありますが、最後はシンプルな問いを自分に投げてみるとすっきりしそうです。
「その仕事、したいですか?」
この問いに「イエス」ならば、その道に進む。この問いに「ノー」ならば、他の道に進む。
「これからどうしようかな」と思ったら、この神谷氏の言葉を思い出してみてください。
=====ここまでがコラムです=====
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責任感が強い、立場や役職がある人ほど自責に悩まされます。
悩んだ時に「私が悪いのかもしれない」と思いがちです。
自責は成長を促しますが、行き過ぎると自分を傷つけ
「何がしたいんだっけ?」と本音が見えなくなります。
「うちの会社のこの習慣、謎ルールじゃないか?」
少し俯瞰して、自分の会社を分析してみてください。
できることが見つかるかもしれません。
それでは、いってらっしゃいませ!
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