<お手紙>人生100年時代に何度も体験する「もうダメかも」から復活する問いの立て方

おはようございます。
退職学®︎の佐野創太(@taishokugaku)です。

本日のテーマはお伝えしたように「病とキャリア」です。
佐野が体調不良により仄暗いテーマで恐縮ですが、
実はとても大事な内容です。

理由はシンプルです。
「病とキャリア」を考えることは
人生100年時代という働く年数が長くなっているいまの働き方を
明確にすることにもなるからです。

人生100年時代というが、どんな働き方になるのかイメージしたい
ずっと同じ気力で働き続けることはできるんだろうか
病や怪我で弱気になることある

「病は福音なり」という言葉もあります。
病は何か大切なことを教えてくれる、という意味ですね。

そんなスタンスでお伝えします。

病は仕事も人間関係も奪っていく

あまり病気自慢になってしまうとつまらないのですが、
幼い頃からいまに至るまで、
大なり小なりいろいろ病気やケガをしてきました。

その中で私の価値観に一番影響を与えているのは、
母の病気です。

病気によって仕事を辞め、寝たきりの時間が増える。
そんな母を間近で見ていたので、
子どもながら「病気は怖いもの」と思っていました。

周りも「あの人は病気だから」という目で見ますし、
自分自身も「私は病気だから」という目で見て、
ますます身動きできなくなります。

病は仕事も人間関係も奪っていく。

社会人になってから、私もそんな経験をしました。

メルマガ読者さまの中にも、
いままさにそういった経験を乗り越えようとしている方が
いらっしゃるのではないでしょうか。
きっと乗り越えていまがある方もいらっしゃるはずです。

何もかも奪っていくように見える病は、
少しでも何か私たちに与えてくれるものはあるのでしょうか?

「病になって良いことなんかあるのか」の問いの立て方を反転させてみる

さて、鋭い方は「問いの立て方が間違っているのでは?」と
思われた方もいらっしゃるかもしれません。

先ほど病は「少しでも何か私たちに与えてくれるものはあるのでしょうか?」と書きました。
でも、この問いで考えると、
特に渦中にいるときは「あるわけなかろう」となっちゃうんですよね。

「そう考えると病にもいいことあったかも」と思える問いの立て方は、
例えばこんなものです。

「病から何を学べるだろうか」
「病は何を教えてくれるのだろうか」
「病を通して成長できたことはないだろうか」

佐野はかっこつけて「〜だろうか」としていますが、
好きな温度感の問いの形にしてOKです。
自分に合う問いの温度があります。

さて、似たようなことを問うているように見えますが、
何が変わったでしょうか?
ある部分が、がらりと変わっています。
「AからBに変わった」のですが、
AとBには何が入るでしょうか?

これもいろいろな言葉がありますが、
「受動的から能動的に変わった」です。
受け身から主体的(積極的)もそうですね。

どういうことかというと、受動的を平たく考えると
「なんなんだよ病気とかほんと、いいことあるんなら早く言えよ」という感じです。

能動的というと
「病気になったことには何か意味があるのではないか」という感じです。

病気になった意味を病気から教えてもらおうとするか、
自分から抽出しようとするか。
そんな違いがあります。

何かの病や怪我になったときは、
いつもこの受動から能動への「姿勢の転換」を思い出します。

これもかっこつけましたね。
本音をいえば「こう考えないと正直やってられない」という気持ちです。

病と付き合い続けている身からすると、
やっぱり「ないならないにこしたことはないな」と思います。
それでも隣にいるものはいるので、せめて「何か意味を見つけないと気が済まない」のです。

人生100年時代に必須な「ダメな時の思考法」

この病のときに意味を抽出する思考法は
人生100年時代、もっと具体的には
「浮き沈みを何回も経験する時代」に必須です。

ほとんどのひとは、何の病気も怪我もなく
引退まで働き続けられることは考えにくいです。

これまたほの暗いですが、私たちは
「ヒビの入った氷の上」を歩いているようなものです。
(しかもその下にはワニが泳いでいる、と話したら
”それは暗すぎ”とたしなめられました)

働く年数が長くなるということは、
浮き沈みの中でも沈みが増えるということ。
沈んだときの処方箋が受動から能動への「姿勢の転換」です。

とはいえですね、この受動から能動への「姿勢の転換」は
まったく佐野独自の考え方ではありません。

精神医学者のヴィクトール・フランクルが提唱した、
「コペルニクス的転回」を「病とキャリア」のテーマに近づけただけです。
フランクルはナチスによる強制収容所を体験して記した『夜と霧』(みすず書房)が有名です。

「コペルニクス的転回」をわかりやすく表現している、
フランクルの言葉はこちらです。
「生きる」の部分を「病になる」にすると、意味がわかりやすくなります。

私たちが「生きる意味があるか」と問うのは、はじめから誤っているのです。つまり、私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。私たちは問われている存在なのです。私たちは、人生がたえずそのときそのときに出す問い、「人生の問い」に答えなければならない、答えを出さなければならない存在なのです。生きること自体、問われていることにほかなりません。

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楽天ブックス: それでも人生にイエスと言う - ヴィクトル・エミール・フランクル - 9784393363607 : 本

この考え方をセラピーの形にまとめているのが、ロゴセラピー(意味による癒し)です。
これを話すととっっっても長くなるので、
ご興味がある方はぜひ『ロゴセラピーのエッセンス』(新教出版社)をご覧ください。

日本で一番手に取りやすいロゴセラピー入門書と思います。

病や怪我は本当に辛いもので
渦中にいるひとにはかける言葉もなくなりがちです。

だからこそ、自分から「出来事から意味を抽出する思考法」や
「この問いは堂々巡りになるだけだ」と気づいて
「コペルニクス的転回」ができるようになるといいなと思います。

佐野も早く治します・・・
三連休こそ、フル子育てになるので
治らないんですけどね・・・!

メッセージ

早くフランクルの文献などのデータだけを学習した生成AIをつくって、
「最近こんなキャリアの状況ですけど、どう思います?」とか
聞けるようになるといいなと思います。

もう一つ「病とキャリア」で思ったのは、
「自分の分身をいかに残しておくか」です。

経営者の方なら後継者育成であったり、
管理職の方であったら部下育成や仕組みづくりに近いです。

これもどこかでまとめます。

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書き手(佐野創太)のプロフィール

佐野創太(すり合わせ学の編集長/退職学®研究家)

すり合わせ学の編集長/退職学®(resignology)研究家

法人・組織の「ずれ」を力に変え、個人には本とキャリア相談から次の一歩を届けています。


著書一覧

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