おはようございます。
退職学®︎の佐野創太(@taishokugaku)です。
本日のテーマは「退職者が会社に言えない本音」です。
私は『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版)なんて本を書くくらい、
「会社辞めたい・・・休みたい」と思っていました。
きっかけはこの記事です。
ブーメラン社員(出戻り社員)のひとりとして、自分ごとです。
>コロナ禍で退職後、元の職場に戻る「ブーメラン社員」が急増する? 専門家による予測の真実
https://wired.jp/2021/10/12/era-boomerang-employees/
この記事は「退職者の心理」も表しています。
退職理由は「人間関係」や「給料などの待遇」など深刻なものばかりじゃないんですよね。
「休みたい」もあります。
離職率を下げたい、従業員と長期的に仕事を続けたい経営者や人事の方にも知っておいて欲しい「働くひとの本音」です。
経営が順調な会社ほど持っている「従業員目線」とも言えます。
「休みたい」から退職する
「大退職時代(Great Resignation)」という言葉の生みの親である、
テキサスA&M大学准教授で経営学を専門とするアンソニー・クロッツ氏は、
一度辞めた職場に戻る社員の心理についてこう話しています。
『ひと休みできて本当によかった。でも、そろそろ仕事に戻ることにしよう』とね
これは1000人以上の退職段階から転職や働き方の相談に乗る中で、とてもよく聞きます。
「どうして会社を辞めたいんですか?」に対して
「いや、しばらく休んでこれからをゆっくり考えたいんです」と話すひとがどれだけ多いか。
しかも仕事が好きであったり、成果を出して会社で認められているひとほど
「休みたくて」退職を考え、実際に実行しています。
とはいえ、次が決まっていない状態で退職することのリスクや、転職活動でかかるストレスを考えると、
「休みたい」を理由に退職するのは不思議も思えます。
さらには「そんな軽い理由で退職する社員なんていらん」と考える経営者の方や
人事の方からのプレッシャーも知っています。
これだけの悪条件があると知りながら、どうしてそこまでして「退職してでも休みたい」のでしょうか?
それは「休みの希少性の高さ」にあります。
「従業員目線」で考えると「休みたい」は切実な願いだとわかります。
どうして「退職してでも休みたい」のか
退職の一点だけでなく、「働きはじめてからいま」という数年から十数年、
ひとによっては数十年のスパンで考えてみます。
働きはじめてから「中長期的な休み」を取ったのはいつでしょうか?
夏休みや年末年始といった取れても1週間から2週間程度の休みではなく、
1ヶ月や3ヶ月という休みの期間です。「しばらく仕事のことは考えなくていいなぁ」と
お金や締め切りの心配をせずに休める期間です。
ほとんどのひとがそこまでの「中長期の安心の休み」をとれていないでしょう。
やっとの思いで退職したのに、「働いていないと不安」と考えて焦って転職を決めてしまうひともいます。
確かに年間休日で考えると、だいたい105日から120日であり、
「1年のうち3分の1程度」は休んでいると言えます。「十分休んでいるよね」とも考えられます。
でも、「中長期的な安心の休み」ではありません。「細切れの休み」です。
「休みの日に平日の仕事の遅れを巻き返す」なんてこともよくあります。
私たちは休んでも仕事は休みません。
「中長期的な安心の休み」はいつ取れるのか?
「週5日労働の疲れを週2日で取れるわけがなかろう」という叫びも聞こえてきます。
仕事と休みだけで生きているわけではありません。
家事も育児も趣味も、仕事と等しく大切な時間です。
そんな「中長期的な安心の休み」はいつ取れるのでしょうか?
それは転職が決まって次の会社に入社するまでの有休+αのとき。
育休や産休をとっているとき。休職しているとき。
これくらいなものです。これくらいしかないんです。
「あとは定年後、引退後かな」とさえ思えます。
これらも「中長期の休み」であっても、安心はないかもしれません。
次の会社は馴染めるのか、復職したときに仕事についていけるのか、
そもそも復職できるのか。そんな悩みを抱えながら仕事から離れているひとも多いです。
ワーケーションやテレワークなどで自分の時間は取りやすくなっています。
それでも「中長期的な安心の休み」は、希少性が高いままです。
「休暇離れ」です。常に「休暇ロス」です。
休めない現状ばかりを書いてしまいました・・・
なので!もし「中長期的な安心の休み」が取れたら「人生の夏休みだ!」くらい思って休みを謳歌してください。
私たち「働くひと」が車だとしたら、「働く」がアクセルで「休み」はブレーキです。
どちらも同じ価値があります。
いまは「働く」に比重が置かれすぎです。
「休み」の価値が見直されますように。
よく休んだひとから、よく頑張れます。
転職と退職の現場からは以上です。
退職してしばらく休むときに、大切にしたいこと
もし「休みたい」から退職すると決めたなら、その休みを安心して過ごすために、大切にしたいことが2つあります。
ひとつは、焦って次を決めないことです。やっとの思いで退職したのに、「働いていないと不安」と焦って次の会社を決めてしまう人もいます。焦って選んだ会社では、また同じことが起きかねません。休むと決めたなら、まずはしっかり休むことが先です。
もうひとつは、休み中の小さな習慣です。私も無職だった時期があります。そのときは毎日「今日やったこと」をメモに書いていました。午前中に起きられた、パジャマを着替えた。本当にそれくらいのことです。やる気が出てから動くのではなく、小さく動くからやる気が戻ってくる。人生は長いので、焦る必要はありません。
休んだ期間は、面接でどう話せばいい?
「しばらく休んだら、次の転職で不利になるのでは」と心配する方も多いです。
休んでいた期間について聞かれるのは、採用する側に不安があるからです。「またすぐに辞めてしまわないか」「いまは元気に働ける状態なのか」。以前ご相談いただいた方は、不採用になった会社の社長から「人柄は良かった。でも休職が引っかかった」と、直筆の手紙で伝えられたそうです。悪気があるわけではなく、それだけ採用する側にとっては気になる点なんです。
だから面接では、休んだ理由を隠すよりも、その不安を消すことを考えます。伝え方には2つの道があります。
ひとつは、明るく本音で話すことです。経緯を正直に話して、そのうえで「いまは働ける状態にある」「その時間がいまにつながっている」ことを伝えます。隠さずに話すことで、「何か言えない事情があるのでは」という不安も消えます。
もうひとつは、振り返って意味を見出すことです。当時はそこまで考えていなかったとしても、いま振り返るとどんな意味があったかを語ります。休んだ時間から学んだことを話せる人は、「同じことを繰り返さない人」に見えます。
私自身、新卒で入った会社を辞めたあと、転職先を1カ月で辞めて無職になりました。転職エージェントに登録しようとすると、「あなたの経歴では登録できません」と断られました。
ずっと、うまくいかないのを社会や環境のせいにしていました。でも、そこでようやく自分に矢印を向けられたんです。本当は営業がきつくて辞めたかったのに、「社会貢献性の高い仕事をしたいので」と取り繕って辞めていた。その本音を当時の上司に打ち明けて謝ったことがきっかけで、元の会社に出戻ることになりました。戻ってからは、新規事業の責任者を任されました。休んでいた時間も、本音と向き合った時間も、振り返れば意味がありました。
このときのことは、日経BOOKプラスのインタビューでもお話ししています。
20代で頑張り過ぎて短期離職→再入社→介護離職 「70%で働く」に至るまで(日経BOOKプラス)
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退職学・佐野
最新のお知らせ
(1)【最新刊】『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)
(2)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)好評発売中
(3)連載|日経BOOKプラス
「20代で頑張り過ぎて短期離職→再入社→介護離職 『70%で働く』に至るまで」

https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/072200743/072200001/
(4)YouTubeをひっそり再開しました

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(5)出演|TBS CROSS DIG with Bloomberg(Human Insight)
「自分の120%は他人の80%」まじめな人ほど陥る“セルフ搾取”/「『70%で働く』はサボりじゃない」

https://www.youtube.com/watch?v=Y4394uziDQI
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「70%で働く思考法」――「もっと頑張る」から脱する働き方

https://www.youtube.com/watch?v=IZDu_wZe9Uw
(7)インタビュー|BEST TiMES(ベストタイムズ)
「過重労働・パワハラ・介護離職…七転八倒の仕事人生で偶然出会ったフランクルの言葉とは?【『70%で働く』佐野創太氏インタビュー#1】」
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/4302241/
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「社員を退職に追い込む『サイクル酔い』の構造とは」

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書き手(佐野創太)のプロフィール

すり合わせ学の編集長/退職学®(resignology)研究家
法人・組織の「ずれ」を力に変え、個人には本とキャリア相談から次の一歩を届けています。
- 公式サイト:https://taishokugaku.com/
- X(旧Twitter):@taishokugaku
- Instagram:@taishokugaku
- YouTube:@sano-souta
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著書一覧
(1)『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版/台湾版あり)
・新装版:『脱 会社辞めたいループ 辞めたいけど辞めたくない人のための転職の思考法』(サンマーク出版/タイ版あり)
(2)『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)
(3)『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)
(4)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)
(5)『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)


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