頑張り屋さんの「心のお守り」になる一冊を見つけました。
『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所です。
普段私は転職や退職といった働き方の転機にいる人から、経営者や事業部長といった責任ある立場にいる人の相談に乗っています。
その中で「メンタルが平熱状態の時の意思決定は間違えない」とわかりました。その「ちょうどいいメンタルの状態」に整える最良のツールをくれるのが、この『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』です。
表紙のいイラストとタイトルのやさしさから、「ふわっと気持ち良くしてくれる感じかな」と想像されるかもですが、具体的なノウハウとやさしさのバランスがとてもいいです。
例えばノウハウの部分はこちらです。「ベストな有給の取り方」を日数にまで言及して伝えています。名付けて「おうち入院」です
まず、有給は基本的に3連休になるように設定してください。
休み方としては、「1日目はストレスからの解放」
「2日目は何も考えずに休む」
「3日目は明日に備える」という流れになります。1〜2日だけの休みでは、「仕事のことを考えずに休みに集中する」という日が設定できず、疲れを全て取ることが難しいのです。
3日以上の連休であれば、「仕事のことを何も考えない」という中日が設定可能になります。P163『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所
「おうち入院」中にすべきことも記載されています。
では、何をするかというと「何もしないをする」がお勧めです。
ネットもテレビも見ず、家事も必要最低限しかしないようにします。
食事もできる限り準備したものを食べましょう。P165『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所
余談ですが、著者の誠実な人柄も垣間見えます。「おうち入院」の名付け親も紹介しています。
陸上自衛隊で心理幹部をされていた心理カウンセラーの下園壮太先生は、この休み方を「おうち入院」と名づけました。
入院をした時には、何もせずにひたすら寝て回復するように、自宅で何もせずに休むことが大切だと語っています(『心をリセットする技術』青春新書インテリジェンス下園壮太著)P165『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所
こういった「著者の人生の中で培った生きる指針」を提示してくれます。「ノウハウもいいんだけど、中長期的に使える原理原則も欲しい」という方にぴったりです。
どうしようもない自分が成し遂げたら面白いな」と自然に思える時がベストコンディションだと考えてみてはいかがでしょうか。
P195『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所
転職などの転機にいる人もここで悩みます。「私なんか転職できませんよ・・・」とつぶやく人に「なんかな自分が成し遂げたら、ちょっとおもしろくないですか?」と聞くと「確かに」と少し前を向けます。本書を開くとふっと心を軽くしてくれる言葉にたくさん出会えます。
この言葉の力の源泉は、著者の「バランスの良さ」にあるのかもしれません。
「逃げてもいい」という主張はネットを中心によく聴こえるようになりました。著者も同意を示しつつも、「逃げてはいけないケース」を示してくれます。
問題なのは、弱さから逃げている結果、現状がうまくいっていないケースです。この場合は、手を打たなければなりません。
(中略)
ただし、ここでも「弱さを強みに変えよう」といった発想を持つ必要などありません。現状をうまく切り抜ける程度のレベルアップで十分だと思います。
職場では最低限の意思疎通が取れればいい。多少迷惑をかけても、大事故につながるミスさえしなければいい。通勤できる体力さえつければいい――。
それで問題ありません。P203『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』ぱやぱやくん (著)PHP研究所
最初は「仕事に使えたらいいな」と思って読み始めましたが、読み終えると心が軽くなっている自分に気付きました。仕事と子育てで自分を最優先にする時間はほぼないこともあり、ゆったり自分を考える時間をいただきました。
著者のこのメンタルと具体的なノウハウのバランスの良い世界観にもっと浸っていたい人は前著もおすすめです。『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』を相談者さんにお伝えしたらとても反応が良かったです。「頑張るために休んで良いんですね」と、特に頑張り屋さんに響いています。
「心のお守り」として著者の言葉を心の中やお財布の中に入れておくと、「よし、大丈夫」と安心感を持ちながら前に進めるようになるはずです。『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』、おすすめです。
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