虚無活と名づけたら軽くなった

頑張りすぎると、人はなぜか片づけを始めます。それも普通の片づけじゃなくて、生活ごと消しにかかるやつ。危険なサインです。深夜に本棚を空にする。急に解約ラッシュをする。私の場合はなぜか、冷蔵庫の中身を全部並べ替えて満足して寝ます。生産性はゼロなのに、手だけが動くんです。この「頑張りすぎの暴走」に、キャリア相談の中で最高の名前をつけた人がいました。

その相談者さんは20代のころ終活を始めたそうです。人生の終わりに向けて身のまわりを整理する、あれです。それを20代ではじめました。勢いは止まらず、最後は冷蔵庫まで捨てました。がらんとした部屋で立ちつくして、ふと我に返ったそうです。「なんだこの虚無活は」。虚無活。ハムカツでもトンカツでもありません。揚がってすらいない、ただの虚無です。「語呂がいいのがまた困る」と、その相談者さんは振り返っていました。

名前をつけると渦の外に出られる

不思議なもので、その一言で笑えた瞬間に力が抜けたそうです。頑張りすぎているとき、私たちは自分の暴走に気づいていません。もっとやらなきゃ、まだ足りないと真顔でアクセルを踏む。冷蔵庫を捨てる寸前まで、本人はいたって真剣なんです。真剣な人ほど止まれない。それを止めたのが「虚無活」という名前でした。名前がつくと、渦の中にいた自分が急に外から見える。真剣だった行動が、ちょっと可笑しく見えてくる。笑いはいちばん優しいブレーキなのかもしれないですね。頑張り屋にはそれぞれの虚無活があります。

意味もなく深夜にタスクを盛る。頼まれてないのに資料を作り込む。休むのが怖くて予定で埋める。名前をつけるなら「深夜のタスク盛りすぎ選手権」あたりですね。エントリーは自由です。気合で止めようとしても止まりません。かわりに、自分の暴走にこっそり名前をつけて一回笑う。それだけで少し我に返れる。真面目さは大事な持ち味だけど、たまに暴走する。だから叱るより、名前をつけて笑ってあげる。こんなことを相談者さんは教えてくれました。

この記事に関連する一冊

『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)

もっとやらなきゃと空回りして、生活まで片づけ始めてしまう。その頭の中の渋滞に気づいて力を抜く考え方を、この本に書きました。

紹介ページで要約や本のキーワード、読者のレビュー、Web記事も読めます。

紹介ページを見るAmazonで見る

メルマガ「キャリアの休憩室」

相談者さんの生の悩みからつむぐコラムを不定期でお届けしています。登録は無料です。

メルマガを受け取る


最新のお知らせ

(1)【最新刊】『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)

思考渋滞から抜け出す方法(あさ出版)
https://amzn.to/4vF58LY

(2)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)好評発売中

70%で働く(日経BP)
https://amzn.to/4dVZpw3

(3)連載|日経BOOKプラス
「20代で頑張り過ぎて短期離職→再入社→介護離職 『70%で働く』に至るまで」

日経BOOKプラス連載
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/072200743/072200001/

(4)YouTubeをひっそり再開しました

YouTube(佐野創太チャンネル)
https://www.youtube.com/@sano-souta

(5)出演|TBS CROSS DIG with Bloomberg(Human Insight)
「自分の120%は他人の80%」まじめな人ほど陥る“セルフ搾取”/「『70%で働く』はサボりじゃない」

TBS CROSS DIG with Bloomberg 出演
https://www.youtube.com/watch?v=Y4394uziDQI

(6)出演|PIVOT(PIVOT LIFE)
「70%で働く思考法」――「もっと頑張る」から脱する働き方

PIVOT 出演
https://www.youtube.com/watch?v=IZDu_wZe9Uw

(7)インタビュー|BEST TiMES(ベストタイムズ)
「過重労働・パワハラ・介護離職…七転八倒の仕事人生で偶然出会ったフランクルの言葉とは?【『70%で働く』佐野創太氏インタビュー#1】」

https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/4302241/

(8)掲載|日本人材ニュースONLINE(連載「だから社員は辞めていく」)
「社員を退職に追い込む『サイクル酔い』の構造とは」

日本人材ニュースONLINE 掲載
https://jinzainews.net/26813970/

(9)フェルミ漫画大学:『70%で働く』(日経BP)が漫画になりました
登録者数140万人のマンガで本の内容をわかりやすく勉強できるチャンネルで、拙著が紹介されました。

フェルミ漫画大学『70%で働く』
https://www.youtube.com/watch?v=cPR949n3IuE


書き手(佐野創太)のプロフィール

佐野創太(すり合わせ学の編集長/退職学®研究家)

すり合わせ学の編集長/退職学®(resignology)研究家

法人・組織の「ずれ」を力に変え、個人には本とキャリア相談から次の一歩を届けています。


著書一覧

(1)『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版/台湾版あり)

「会社辞めたい」ループから抜け出そう!(サンマーク出版)
https://amzn.to/3nAvkXZ

・新装版:『脱 会社辞めたいループ 辞めたいけど辞めたくない人のための転職の思考法』(サンマーク出版/タイ版あり)

脱 会社辞めたいループ(サンマーク出版)
https://amzn.to/44ZVf01

(2)『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)

ゼロストレス転職(PHP研究所)
https://amzn.to/3x5lFwR

(3)『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)

転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本(主婦の友社)
https://amzn.to/4sAKdcs

(4)『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)

70%で働く(日経BP)
https://amzn.to/4dVZpw3

(5)『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)

思考渋滞から抜け出す方法(あさ出版)
https://amzn.to/4vF58LY