「金曜の夜、まだ働いている」──本日、思考渋滞から抜け出す本を出しました

今日は、新しい本の発売日です。キーワードは「思考渋滞」。「考えて2歩進んだと思ったのに、気がつけば3歩戻っている」──そんな、私がいまも悩む現象に名前をつけました。

本の話です:『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)

はじまりの一行は「金曜の夜、まだ働いている」。書き上げてから何度も読み返したのですが、これは私自身の金曜だと毎回思います。

ここからは、今日の話です。

金曜の夜に残っている、あの資料

「今週こそ早めに」と思っていた資料が、金曜の夜になってもそのまま残っている。気にはなっています。頭の片隅ではずっと引っかかっている。それなのに「後でやろう」と置いたまま、パソコンのタブだけが開きっぱなしになる。

どれから見ればいいのか、どれが正解なのか、一つ読むたびにわからないことが増えていく気がします。

誰かに「これどう思う?」と一言聞けばすむ。それもわかっています。でも書きかけたメッセージは消してしまう。「こんなことも自分で決められないのか」と思われる気がして。

そうしているうちに「そもそもこの資料は何のためにつくっているんだっけ」という考えまでよぎってくるのです。

「なんでもっと早くやらなかったんだろう」の正体

結局、提出は期日の昼になりました。その日の午前に焦って手を動かすと、2時間で終わってしまう。

終わった安心よりも先に浮かぶのは、この言葉です。「なんでもっと早くやらなかったんだろう」。同時に「こんなこと、前もあったな」と思い出します。先月も、その前も、もっと前からも、同じでした。わかっているのに、また同じところにいる。

これは、段取りが悪いという話ではありません。考える力が足りないわけでも、意志が弱いわけでもない。これだけ考えているのに進まないのは、たいてい考えの量の問題ではないからです。

ぐるぐるは、力不足ではなく現象だった

本ではこの「考えているのに進まない」状態を思考渋滞と呼んでいます。道が悪いのではなく、車が詰まっている。台数が増えれば、能力と関係なく前に進めなくなります。あの金曜の夜も、同じことが起きていました。

渋滞だとわかるだけで、私たちは少し息ができます。自分を責めていた矛先が、実は違ったと気づけるからです。悪いのは能力ではなく、詰まりだった。そう思えると、「なんでもっと早く」の声も少しやわらぎます。

私もこの渋滞から完全に抜けたわけではありません。いまだに金曜の夜、あのタブを開きっぱなしにします。ただ「あ、渋滞してるな」と気づけるようになっただけでも、以前よりずっと動きやすくなりました。

その渋滞がなぜ起きて、どうやって抜けるのか。その中身を一冊にまとめました。もし金曜の夜の資料に心当たりがあれば、はじめの数ページだけでも開いてみてください。

私はいまも、金曜の夜にこの本を読み返しています。書いた本人が、いちばん渋滞しているのかもしれません。

新刊:『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)

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書き手(佐野創太)のプロフィール

佐野創太(すり合わせ学の編集長/退職学®研究家)

すり合わせ学の編集長/退職学®(resignology)研究家

法人・組織の「ずれ」を力に変え、個人には本とキャリア相談から次の一歩を届けています。


著書一覧

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